押し入れがカビ臭い原因は? 除去方法と自分でできる対策を紹介

「押し入れからカビっぽい臭いがする」
「カビの臭いは、どうやったら取れる?」
など、お悩みの方もいるでしょう。
密閉状態にある押し入れは、カビが非常に繁殖しやすい環境です。
そのため、根本から対処しないかぎり繰り返しカビが発生し、大切な布団や衣服にも臭いがうつるかもしれません。
本記事では押し入れのカビを根本から解決するため、以下について解説します。
- 押し入れがカビ臭い原因
- 押し入れに発生する2種類のカビ
- 白カビの対策方法
- 黒カビの対策方法
- 自分でできるカビ臭さの予防策
カビと臭いを取り除き、安心して衣類や布団を片付けられる押し入れにしましょう。
押し入れがカビ臭い原因
押し入れを開けたときに、酸っぱいような不快な臭いがする場合は、内部でカビが発生している可能性が高いと考えられます。
つまり、押し入れがカビ臭くなるのは、カビが繁殖しやすい状態になっている証拠です。
特に、以下のような環境になっていると、カビの臭いが発生しやすくなります。
- 湿気がこもっている
- 空気の流れが悪い
- ほこりが溜まっている
湿気がこもっている
湿気がこもっていると、カビが発生しやすくなります。
特に梅雨時期や冬場の結露が多い時期は、室内全体の湿度が高まりやすく、押し入れ内の湿度も上昇します。このような状態が続くと、カビが好む環境が整い、壁や収納物にカビが発生しやすくなります。
湿った空気がこもるとカビの胞子も増えやすくなり、結果的にいやな臭いの原因になります。
押し入れの中は基本的に密閉されており、湿気が逃げにくい場所です。
収納の仕方に工夫をし、通気性のいい環境をつくることが大切です。
空気の流れが悪い
空気の流れが悪いと、湿気が押し入れ内に溜まりカビが発生しやすくなります。
押し入れは常に扉が閉じられていることが多く、空気の出入りがほとんどありません。空気が滞ることで湿気が抜けず、内部がジメジメしたままになってしまいます。
また空気の動きがないと、カビの胞子が押し入れ内にとどまり、臭いが強く感じられるようになります。
定期的に空気を入れ替えて風を通し、湿気や臭いを逃すことが大切です。
ほこりが溜まっている
ほこりは湿気と結びつくことでカビの栄養源となり、増殖を促進させます。
掃除の頻度が少ない押し入れは、いつの間にかほこりがたまりやすい場所。特に、布団や衣類の奥にたまったほこりは見落とされがちで、気づかないうちにカビの温床となっていることもあります。
放置すると、カビの繁殖とともに独特のカビ臭が強まっていきます。
衣替えなどで収納している荷物を入れ替える際に、掃除するようにしましょう。

押し入れに発生する2種類のカビ
押し入れに発生するカビは、白カビと黒カビの2種類です。
それぞれ対処方法が違うため、まずは見分けをつけることが大切です。
2種類のカビの特徴を表にまとめたので、参考にしてみてください。
白カビ
見た目 | ・こまかい粉状もしくは綿のようなふわふわ ・白っぽい色 |
臭い | ・古臭いにおい ・ツンとする |
発生しやすい場所 | ・布団や衣類の表面・紙類(書類や段ボール)・木材の表面(棚や壁) |
増えやすい条件 | ・空気の流れが悪い場所・湿度60%~80%・低温〜常温でも活動 |
黒カビ
見た目 | ・黒っぽい点々や斑点状・平面で根深く張っている |
臭い | ・ツンとする ・土っぽい |
発生しやすい場所 | ・押し入れの壁や天井の角・木の継ぎ目や隙間 ・パッキン |
増えやすい条件 | ・湿度70%以上・温度20~30度 ・長時間ジメジメしている場所 |
押し入れの白カビの対策方法
白カビは、自宅や薬局にある次の3つのいずれかを使うことで、除去や予防が可能です。
- 消毒用エタノール
- クエン酸スプレー
- 酸素系漂白剤
消毒用エタノール
消毒エタノールで殺菌することで、カビを除去し発生を防ぎます。
用意するもの | 手順 |
・消毒用エタノール ・雑巾 | ・押し入れから収納物を取り出してほこりなどを取る ・消毒用エタノールを雑巾に染みこませ、気になる箇所を拭く ・拭いた箇所が乾いたら収納物を片付ける |
クエン酸スプレーを使う
消毒用エタノールの代わりとして、クエン酸スプレーを使うことも可能です。
ただし殺菌力がないため、再度の発生を防ぐことはできません。むしろ、クエン酸の成分が残っているとカビの栄養源となりカビや雑菌が増える可能性もあります。
そのため、最後はかならず水拭きをするようにしましょう。
用意するもの | 手順 |
・クエン酸 小さじ1杯 ・水 200ml ・スプレーボトル ・雑巾 | ・押し入れから収納物を取り出してほこりなどを取る ・クエン酸と水をスプレーボトルに入れて、混ぜる ・雑巾にクエン酸スプレーをかけ、気になる箇所を拭く ・カビが落ちたら水拭きをする・乾いたら収納物を片付ける |
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤を使うことで、押し入れの素材を傷めることなく、カビを除去できます。
木造住宅や賃貸にお住まいの方でも安心して試せる方法です。
ただし、皮膚に触れると肌荒れする場合があります。かならず手袋をして行うようにしましょう。
用意するもの | 手順 |
・酸素系漂白剤(適量) ・粉せっけん(適量) ・水 ・キッチンペーパー・ラップ・ゴム手袋 | ・容器に酸素系漂白剤と粉石けんを1対1の割合で入れる ・水を少量加えて、ペースト状にする ・カビが気になる部分にペーストを厚めに塗る ・ラップをかぶせ、乾燥をふせぐ ・3〜4時間ほど放置する ・時間が経ったら、水で湿らせたキッチンペーパーで拭き取る |
押し入れの黒カビの対策方法
黒カビは深く根を張っているので、白カビよりも除去が難しいとされています。
しかし以下2つのいずれかで対応できるので、安心してください。
もし試しても落ちかなかった場合は、かなり繁殖が進んでいる可能性が高いです。業者に除去をお願いしましょう。
- 塩素系漂白剤
- 次亜塩素酸水
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、酸素系のものやアルコールに比べて除菌力が非常に高く、しつこい黒カビの除去にも高い効果を発揮します。
ただし、壁紙の色が抜けてしまったり、木材の表面が傷んでしまうおそれがあります。
そのため、まずは見えにくい部分で試してから使うと安心です。
作業する際は、肌荒れ防止のためにかならず手袋をしましょう。
用意するもの | 手順 |
・キッチンペーパー ・ラップ ・マスク ・ゴム手袋 | ・塩素系漂白剤をキッチンペーパーに染みこませる ・黒カビの上にキッチンペーパーを貼り、ラップで固定する ・10分放置する ・新しいキッチンペーパーで水ぶきをする ・しっかりと乾燥させる ・乾燥したら、収納物を戻す |
次亜塩素酸水を使う
次亜塩素酸水は、塩化ナトリウムや塩酸を水に加えたうえで電気分解することで作られる液体で、優れた除菌作用を持っています。
素材を傷めにくいため、押し入れへのダメージを気にせずに使えます。
作業する際は、肌荒れ防止のためかならず手袋をしましょう。
用意するもの | 手順 |
・次亜塩素酸水 ・スプレーボトル ・雑巾 ・手袋 | ・次亜塩素酸水の原液に水を混ぜ、400ppmまで薄める(原液のpphは製品ラベルに記載) ・薄めた次亜塩素酸水をスプレーボトルに入れる ・気になる箇所に吹きかけ、放置する ・黒カビが落ちたら水拭きする ・乾燥したら、収納物を戻す |

簡単にできる、押し入れのカビ臭い対策
カビを除去したら、次はカビの発生を予防し、いやな臭いを防ぎましょう。
使用した製品によっては殺菌効果も含まれているため、再発を防ぐことはたしかに可能です。
しかし、半永久的な効果は期待できません。時間が経ち湿気やほこりが溜まれば、菌がもう一度増殖しカビが生えてきます。
今すぐにできる簡単なカビ予防策を7つ紹介します。
- 換気をする
- すのこ板を使用する
- 洗濯物は乾いてから片付ける
- 収納スペースに余白をつくる
- 定期的に掃除をする
- 重曹を置く
- 湿気取り剤を入れておく
換気をする
押し入れは基本的に密閉された空間で、空気の流れがほとんどありません。そのため、一度湿気がたまると抜けにくく、カビが発生しやすい環境になってしまいます。
定期的に押し入れの扉を開けて、中に新鮮な空気を取り入れることでカビが発生しにくい環境を作りましょう。
部屋の換気をする際は、ついでに押し入れの扉も開けるなど、換気するタイミングを決めておくことも大切です。
すのこ板を使用する
押し入れの床に直接布団や収納ケースを置いてしまうと、空気が通らず湿気がたまりやすくなります。
そこで、すのこを敷くことで、収納物と床の間にすき間ができ、空気の流れを作り出すことができます。通気性が確保されることで、湿気がこもりにくくなり、カビの予防につながります。
木製のすのこは吸湿効果もあり、さらに掃除の際に取り外しやすい点も便利です。
洗濯物は乾いてから片付ける
押し入れに収納する布団や衣類は、湿気を含んだまましまってしまうと、カビが繁殖しやすくなります。
収納する前には、しっかり乾燥させることが重要です。天気のよい日に布団を干したり、衣類を陰干ししてから押し入れにしまうようにしましょう。
収納スペースに余白をつくる
押し入れに物を詰め込みすぎると、内部の空気の流れが悪くなり、湿気がこもりやすくなってしまいます。
収納する際は、できるだけ余裕を持たせ、衣類や荷物の間にすき間を作ることで通気性が高まり、カビの予防につながります。
もし収納物が多くてスペースに余裕がない場合は、この機会に不要なものを見直し、断捨離してみるのもおすすめです。荷物が減れば風通しがよくなるだけでなく、掃除がしやすくなり、出し入れもスムーズになります。
定期的に掃除をする
押し入れの中は、普段あまり開けないために、ほこりやゴミがたまりやすい場所です。これらの汚れは、湿気と組み合わさることでカビの栄養源となってしまいます。
少なくとも月に1回は押し入れの中の物を出し、掃除機で床や棚板のほこりを吸い取りましょう。
掃除と合わせて、中の物の状態や湿気の有無を確認する習慣をつけておくと、早期にカビの兆候に気づけるため、対処がスムーズになります。
重曹を置く
押し入れは湿気がこもりやすいため、定期的な換気に加えて、除湿グッズを併用することも効果的です。
なかでも重曹は、空気中の水分を吸収する性質があり、押し入れ内の湿度を下げるのに役立ちます。湿度がコントロールされることで、カビが発生しにくい環境を保つことができます。
また、重曹には消臭作用もあるため、押し入れにこもる不快なにおいを和らげる効果も期待できます。
用意するもの | 手順 |
・重曹(大さじ2~4杯) ・空き容器(プリンの容器など) | ・空き容器に重曹を適量入れる ・押し入れ内の湿気がこもりやすい場所に置く ・1~2か月おきに確認し、固まり始めたら交換する |
湿気取り剤を置く
湿気取り剤は、押し入れなど湿気が気になる場所に置くだけで、空気中の水分を吸収してくれる便利なアイテムです。
ドラッグストアやホームセンターで簡単に手に入り、重曹のように準備の手間がかからない点が魅力です。また、粉末を使う重曹とは異なり、うっかり容器を倒して中身がこぼれる心配もありません。
押し入れの奥やすき間に置いておくだけでも効果がありますし、引き出しの中や布団の収納袋に入れておけば、衣替えの時期に気になるカビ臭や湿ったにおいを防ぐのにも役立ちます。
なかには、消臭効果のあるタイプや、繰り返し使える再利用可能なタイプもあります。
手軽でコストパフォーマンスも良く、湿気とにおいの両方に対応できる心強いアイテムです。
押し入れのカビのニオイでお悩みなら、炭八がおすすめ
押し入れの中を常に除湿・消臭したい場合は、湿気取り剤の「炭八」がおすすめです。
炭八は備長炭の約2倍の吸湿力を持ち、定期的に天日干しをすることで吸湿力を回復させ、半永久的に使用できます。防臭効果も備えているため、密閉状態が続くシーズンオフの衣服や布団にいやなにおいがつくのを防げます。
また、炭八はサイズ展開が豊富で、座布団ほどの大きなものから引き出しに入る薄型の小さなものまであります。
押し入れの引き出しや収納袋など、換気だけでは湿気が取りきれない場所にも設置しやすく、効果的に湿気対策ができます。
まとめ
今回は、押し入れのカビの臭いを解消するために、以下のポイントについてご説明しました。
- 押し入れがカビ臭い原因
- 押し入れに発生する2種類のカビ
- 白カビの対策方法
- 黒カビの対策方法
- 自分でできるカビ臭さの予防策
カビ臭がするということは、押し入れのどこかにカビが発生しているサインです。
小さなカビでも放置すると徐々に広がり、木材の劣化を引き起こすことがあります。また、強い臭いが衣服や布団に移ってしまうこともあるため注意が必要です。
押し入れの異変に気づいたら、早めに対処することが大切です。再発を防ぐためにも、今回の内容をぜひ参考にしていただければ幸いです。
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