Advisor

[監修] 住環境コーディネーター他

花井 千赴

リノベーション・不動産・新築・エクステリアをワンストップで手掛ける
株式会社ユニテ 代表取締役社長

古いアパートの消えない臭いの正体は?発生源と対策

消臭

「築古のアパートに住んでいるけれど、なんとなく臭いが気になる」

「何度対策しても、臭いが消えない」

など、古いアパートの臭いにお困りの方も多いのではないでしょうか。

古いアパートでは、設備の劣化やカビ、これまでの入居者による生活臭など、さまざまな要因で臭いが染み付いてしまうことがあります。

さらに、一度取り除いても、臭いが再び発生しやすいのも特徴です。

そのため、臭いの原因を正しく見極め、適切な対策を継続して行うことが欠かせません。放置すれば、衛生面や気分に影響するだけでなく、衣類や家具にも臭いが移ってしまいます。

本記事では、古いアパートの臭いから解放され、快適に暮らすために次の内容を解説します。

  • 古いアパートの臭いの正体
  • 古いアパートの消えない臭いの解決策
  • 古いアパートの消えない臭いに効く予防策3選

臭いは放置すると、衛生面や気分に影響するだけでなく、ご自身の衣類や家具にも染み付いてしまいます。

できるだけ、早めに対策を取りましょう。

古いアパートの臭いの正体

まずは、臭いがどこから発生しているのかを確認しましょう。

古いアパートで特に臭いやすいのは、次の5か所です。

  • キッチン
  • 洗面所やお風呂場
  • 押し入れやクローゼット
  • エアコン
  • 部屋の壁

それぞれの臭いの特徴と原因を解説します。

ご自身が気になっている臭いの発生源を見つける参考になれば幸いです。

キッチン

臭いの特徴
  • 生ゴミや油の混じった酸っぱい臭い
  • 排水口からの生臭さ
  • 調理後に残る油煙のこもった臭い

古いアパートのキッチンは排水管やシンク下のパイプ部分に汚れが蓄積していることが多く、そこから生ゴミやカビの臭いが発生します。

排水トラップが劣化していると下水臭が逆流しやすくなるのも特徴です。また、長年の使用で壁や換気扇に油煙が染み付き、空間全体に臭いが残ります。

臭いや油汚れを放置していると、ゴキブリやハエなど害虫の温床になります。また、こまめな清掃を怠ることでシンクや換気扇に汚れや臭いがこびりつき、業者でないと対処できなくなる点も注意が必要です。

洗面所やお風呂場

臭いの特徴
  • カビ臭さ
  • 湿ったタオルのような臭い
  • 排水口からの下水道

古いアパートでは、洗面所や浴室の換気性能が不十分な場合が多く、湿気がこもりやすくなります。壁や天井、タイル目地などに黒カビやピンクぬめりが発生し、それがカビ特有の臭いを放ちます。

また、排水口やトラップ部分に髪の毛や石鹸カスが溜まると、雑菌が繁殖して下水臭を引き起こします。

放置していると、カビによる健康被害や設備の劣化が起こりかねません。また、排水溝や流しに石鹸カスや髪の毛を放置していると、臭いだけではなく詰まりの原因にもなります

押し入れやクローゼット

臭いの特徴
  • こもった空気の臭い
  • カビや湿った木の臭い
  • 衣類に移る独特の古臭さ

押し入れやクローゼットは通気性が悪く、湿気がたまりやすい空間です。古いアパートでは壁材や床板に湿気が長年蓄積し、カビや木材の劣化臭が発生します。

また、過去の入居者が使っていたときの生活臭や防虫剤の臭いが残っている場合もあります。

カビや臭いを放置していると、衣類や布団に映り、使えなくなってしまうかもしれません。また、カビの浸食が進むと木材や壁材が腐食し、シロアリ被害や構造劣化を招く可能性があります。

エアコン

臭いの特徴
  • カビのツンとする臭い
  • ホコリっぽい臭い
  • 湿った雑巾のような臭い

古いアパートのエアコンは、内部のフィンや送風ファンにホコリやカビが蓄積していることが多いです。

特に長期間清掃されていない場合、結露による湿気とホコリが混ざり、カビが繁殖しやすくなります。運転するとこれらの臭いが室内に広がります。

清掃えおしないまま使い続けると、カビや細菌を室内に撒き散らすことになるでしょう。咳や喉の不調、アレルギー症状のリスクがあるので、注意してください。

臭いの特徴
  • タバコやペットの臭いが染みついた臭い
  • 長年の生活臭が混じった独特の臭い
  • 湿気を含んだカビ臭

古いアパートではタバコのヤニやペット臭、調理時の臭いなどがしみ込んでいる場合があります。また、外壁との結露や湿気によって壁内部でカビが発生することもあります。

放置すると、ご自身の家具や布団にも臭いが染み付いてしまうかもしれません。来客があるときの反応も、少し心配ですよね。

古いアパートの消えない臭いの解決策

臭いの発生源が特定できたら、次は解決策を実践してみましょう。

以下の場所別に、掃除の手順をお伝えします。

  • キッチンのシンクの臭いを消す方法
  • キッチン下の臭いを消す方法
  • 洗面所やお風呂場の臭いを消す方法
  • 押し入れやクローゼットの臭いを消す方法
  • エアコンの臭いを消す方法
  • 壁の臭いを消す方法

ご家庭にあるものや薬局などで簡単に手に入る製品でできる方法をお伝えします。ぜひ、試してみてください。

キッチンのシンクの臭いを消す方法

シンクの臭いは排水口のぬめりや食べカス、油汚れが原因です。

重曹とクエン酸を使うと発泡作用で汚れを浮かせ、除菌と消臭ができます。

流すときは、熱湯を使えば細菌の繁殖を防ぎますが、古いアパートでは排水溝が劣化している可能性もあります。

排水溝の整備や交換の履歴がない場合は、水を使いましょう。

掃除方法
  • 排水口のゴミ受けを外し、中性洗剤で洗う
  • 重曹を排水口に1カップ入れる
  • クエン酸または酢を1/2カップ注ぐ
  • しゅわしゅわしたら5〜10分放置
  • 熱湯もしくは水で洗い流す

キッチン下の臭いを消す方法

キッチン下の収納臭は湿気やカビ、食品の油分が原因です。アルコールスプレーでカビ菌を除去し、重曹を置くことで脱臭効果が長続きします。

掃除方法
  • 収納内の物をすべて取り出す
  • 水拭きでほこりや汚れを取る
  • アルコールスプレーで全体を除菌
  • 完全に乾かす

もし生臭さが気になる場合は、排水管の汚れの蓄積や排水トラップの封水切れが原因かもしれません。この場合は個人での対応は難しいので、業者に依頼しましょう。

洗面所とお風呂場の臭いを消す方法

排水口やカビが主な臭いの原因です。塩素系漂白剤を使えば、カビやぬめりを分解し強力に除菌できます。

ぬめりのみが気になる場合は、浴室用洗剤を代用しても問題ありません。

掃除方法
  • 排水口のヘアキャッチャーを取り外し洗う
  • 排水口に塩素系漂白剤もしくは浴室用洗剤を適量注ぐ
  • 30分放置後、水でしっかり流す
  • 浴室壁や床の黒カビ塩素系漂白剤スプレーで除去
  • しっかりと換気する

浴室の換気力が弱い場合は、タオルで水気をふき取っておきましょう。

押し入れやクローゼットの臭いを消す方法

押し入れは湿気とカビが臭いの大きな原因です。アルコール除菌と乾燥剤を併用すると、臭いと再発を防げます

掃除方法
  • 中の荷物を全て出す
  • 表面を乾拭きまたは水拭き
  • 扉を開けたまま、しっかり乾燥させる
  • 乾燥剤や炭を入れる

エアコンの臭いを消す方法

エアコン内部のカビやほこりが臭いの原因です。フィルター清掃と専用スプレーで内部洗浄を行いましょう。

ただし、古いエアコンの場合、内部洗浄をすると故障するかもしれません。

使用中に黒いカスが落ちてくる場合は、内部に長期間のカビがたまっている証拠。掃除はフィルターのみに留めておき、内部清掃は業者に依頼しましょう。

掃除方法
  • 電源を切り、フィルターを外す
  • フィルターを水洗いし完全乾燥させる
  • 送風運転で内部を乾かす
  • 定期的に換気し湿気を防ぐ

壁の臭いを消す方法

壁の臭いの原因は、油汚れやカビであることが多いので、重曹を使いましょう。汚れを浮かせて消臭できます。布製クロスは水分を控えて拭きます。

タバコのヤニが原因の場合は、掃除で簡単に消すことはできません。大家さんと相談して、壁紙の張り替えを依頼しましょう。

掃除方法
  • ぬるま湯に重曹を溶かす
  • 柔らかい布に含ませて壁を拭く
  • 汚れが強い部分は数分置いてから拭き取る
  • 仕上げに乾いた布で水分を拭き取る

古いアパートの消えない臭いに効く予防策3選

消臭をした次は、臭いが発生しないように予防をすることが大切です。

特に、次の3つは大きな手間もかからず、簡単に日常的に取り入れられる方法です。

継続的に行うようにしましょう。

  • こまめな換気
  • こまめな掃除
  • 除湿剤の活用

こまめな換気

古いアパートでは、構造上どうしても湿気や生活臭がこもりやすくなります。意識的に換気をすることで、室内の空気を入れ替えて臭い物質や湿気を外に排出できます。

そうすることで、カビの発生や衣類や家具への臭いの染み付きを予防できるでしょう。

梅雨や冬場など窓を開けづらい時期は、除湿器やエアコンの除湿を使うことをおすすめします。効果が十分に感じられない場合は、サーキュレーターを併用しましょう。

こまめな掃除

部屋や押し入れのほこりはカビの原因に、シンクや排水溝の汚れは腐敗臭や劣化の原因になります。まめな掃除を習慣化することで、臭いの発生源を根本から減らしましょう。

特に、床や家具の裏、換気扇フィルター、排水口周りは要注意。週1回程度は掃除機と水拭きを行い、汚れを溜めないことが重要です。

また、キッチンや水回りは油汚れやカビがつきやすいので、中性洗剤や重曹を使って衛生環境を守りましょう。

除湿剤の活用

湿気はカビやダニの温床となり、結果的にカビ臭や生乾き臭の原因となります。

押し入れやクローゼット、靴箱など閉め切った空間には除湿剤を設置し、定期的に交換しましょう。

室内には部屋用の大きめサイズの除湿剤を、布団の下には専用の除湿シートを入れておくことをおすすめします。

ただし、使い捨ての場合はこまめな交換が必要なため、出費が続きやすいです。簡単な手入れで半永久的に繰り返し使用できる製品を選びましょう

繰り返す臭いにお困りなら、炭八がおすすめ

臭いが繰り返す場合は、常に除湿を行い、悪臭も吸収できる仕組みを用意しておくことをおすすめします。

そんなときに最適なのが「炭八」です。炭八は針葉樹から作られた調湿木炭で、その吸湿力は備長炭の2倍にも及びます。湿気が溜まりやすい古いアパートにはぴったりの製品です。

さらに、定期的に天日干しを行うことで吸湿力を回復させ、半永久的に使用できます。使い捨ての除湿剤より初期費用はかかりますが、長期的に見れば経済的です。

炭八は湿気だけでなく、気になる臭いも吸着してくれるため、消臭スプレーや芳香剤を使う手間も省け、一石二鳥の効果があります。

まとめ

今回は、古いアパートに染み付いた臭いでお悩みの方に向けて、以下の項目を解説しました。

  • 古いアパートの臭いの正体
  • 古いアパートの消えない臭いの解決策
  • 古いアパートの消えない臭いに効く予防策3選

古いアパートは木造であることが多く、さらに経年による劣化が進んでいる場合も少なくありません。そのため湿気が溜まりやすく、悪臭が発生しやすい環境になっています。

臭いの原因を見つけて対処することも大切ですが、せっかく掃除しても、しばらくすると再び臭いに悩まされるのは避けたいものです。

そこで、除湿と消臭の両方の効果をもつ「炭八」などを活用すると、放置しておくだけでも悩みを軽減できます。日常的に取り入れることで、掃除の手間も減らせるでしょう。

古いアパートでも、快適な毎日を過ごすヒントとして役立てば幸いです。

著者情報

グラニーレ編集部
グラニーレ編集部

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