冬場の部屋干しには暖房が効果あり。効率的な除湿と生乾き防止策を紹介

「冬場に部屋干ししたいときに、暖房は役立つ?」
「冬場に除湿って使えるの?」
など、冬場の部屋干しや除湿方法にお悩みの方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、冬場に部屋干しをする際は暖房の使用がおすすめです。
しかし、使い方によっては、効率的に衣服を乾かすことができず、生乾き臭が発生する可能性があります。
そこで本記事では、暖房を使って効率的かつ衛生的に部屋干しができるよう、以下の項目をお伝えします。
- エアコンの除湿機能と暖房機能の違い
- 冬場に生乾きが発生する原因
- 冬場の部屋干しに暖房がおすすめな理由
- 暖房を使って洗濯物をすばやく乾かす工夫
- 暖房と一緒に使いたい除湿アイテム
冬場も安心して部屋干しができるよう、参考にしてみてください。
エアコンの除湿機能と暖房機能の違い
部屋干しといえば、エアコンの除湿機能を思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし冬場の使用には向いていません。
まず、それぞれどのような特徴があるのかを説明します。
除湿とは?
エアコンの除湿機能の働きは、以下の通りです。
- 空気中の水分を取り除く機能で、湿度を下げることが目的
- 空気を冷やして結露させ、水分を取り除いてから再び室内に戻す機能
- 一般的な弱冷除湿では、室温が下がることが多い
つまり除湿機能には、空気中の湿気を下げながら室温を下げる働きがあります。
暖房とは?
エアコンの暖房機能の働きは、以下の通りです。
- 室内の空気を温める機能で、温度を上げることが目的
- 湿度を直接的に下げる機能ではない
- 室温上昇により空気中の湿度が下がる場合がある
つまり暖房機能の目的は、湿度を下げることではなく室温を上げることです。しかし室温が上がることで、室内の湿気が減る可能性もあります。
冬場の生乾き臭の発生原因
冬場の洗濯物の悩みとして多いのは、生乾きが発生しやすいことではないでしょうか。
梅雨ほど湿気は高くないといっても、気温が低く日照時間が短いため洗濯物が乾くまでに時間がかかります。
ここでは、イヤな臭いを避けるために、冬場に生乾き臭が発生しやすい3つの理由を解説します。
- 寒さで水分が蒸発しにくい
- 結露で室内の湿度が上がりやすい
- 厚みのある洋服が多い
【原因1】寒さで水分が蒸発しにくい
冬の空気は乾燥しているように感じますが、空気の乾燥度と洗濯物の乾きやすさは比例しません。
実は気温が低いと空気中に含まれる水分量が少ない分、蒸発が進みにくい状態になります。
その結果、洗濯物に含まれた水分が長く残り、菌が繁殖しやすい環境が続いてしまいます。
特に日差しのない日や風通しの悪い部屋では、自然乾燥ではきちんと乾かず生乾き臭の原因となる雑菌が増えてしまうリスクが高くなります。
【原因2】結露で室内の湿度が上がりやすい
冬場は空気が乾燥しているため、湿度が低いと思う方もいるでしょう。
しかし、外気温と室温の差が大きい冬場は、窓や壁に結露が発生しやすくなります。
この結露によって、室内の湿度が意外と高くなることがあり、乾きづらさや生乾き臭の要因となります。
そのため、気を抜かずに冬場も室内の湿気対策を続けることが重要です。
【原因3】厚みのある洋服が多い
冬場に着用する衣類といえば、セーターやパーカー、フリースなど、厚手のものが多いでしょう。
厚手の衣類は、繊維の奥まで水分がしみ込みやすく乾きにくい特徴があります。
とくに乾燥が不十分なまま収納すると、ニオイが残ったり、カビの原因になることもあります。
外干しだけに頼らず、しっかりと内部まで乾燥させる工夫をすることが欠かせません。

冬場の部屋干しには暖房がおすすめ
エアコンの暖房機能は、直接的に湿度を取り除く働きをするわけではありません。
しかし、冬場に部屋干しをする際には、暖房をつけておくことが大切です。
理由は、以下の3つです。
- 暖房は曇りの日の外干しより効率的
- 暖房で外干し後の生乾き対策ができる
- 電気代を抑えられる
【理由1】暖房は曇りの日の外干しより効率的
冬場の外干しは、晴れた日でも気温が低いため乾きが遅くなります。
特に曇りの日は、日差しが少ない為、なかなか衣類についた水分が蒸発しません。
さらに空気中の水分が多いため、洗濯物が乾くどころか湿ってしまうこともあります。
一方、室内でエアコンの暖房を使って部屋干しすれば、空気が温められることで蒸発が促進され、効率的に乾燥が進みます。
【理由2】暖房で外干し後の生乾き対策ができる
昼間に外干しをしていると、夕方に取り込むときにはまだ湿っているということも多いのではないでしょうか。
衣類が空気で冷えてひんやりしているだけなのか、湿っているから冷たいのか、区別がつかないこともあるでしょう。
取り込んだ後にエアコンの暖房を使うと、効率よく残った水分を乾燥させることが可能です。
洗濯物を少しでも湿ったまま放置すると、生乾き臭が発生しやすくなります。
最悪の場合はクローゼット内でほかの衣服に臭いが移ってしまいます。冬場は暖房を活用して、しっかり乾かすようにしましょう。
【理由3】電気代を抑えられる
冬場に洗濯物を乾かす場合は、浴室乾燥機や衣類乾燥機を使う方も多いでしょう。
浴室乾燥機や衣類乾燥機は便利ですが、電気代が高くつきます。また、衣類乾燥機は洋服の素材によっては、傷みや縮みの原因となります。
エアコンの暖房であれば、室内の暖房と部屋干しの両方を同時に行えるため一石二鳥です。
また、暖房は広い範囲に熱を届けられるため、乾燥機よりも衣類全体を均一に乾かしやすいというメリットも。
暖房で洗濯物をすばやく乾かす工夫
冬場の部屋干しにはエアコンの暖房機能の活用がおすすめですが、他の季節の外干しと比べると、やや時間がかかるのも事実です。そのため、暖房を使えば必ずしも生乾き臭を防げるとは言い切れません。
また、長時間干すことで衣類に付着した水分が室内の湿度を上げてしまう可能性もあります。
ここでは、暖房を使って効率的に洗濯物を乾かす工夫を5つお伝えします。
- 洗濯物をお湯で洗う
- 脱水をしっかりする
- 厚みのある服はエアコンの前に置く
- 結露対策をする
- こまめに洗濯する
【工夫1】洗濯物をお湯で洗う
冬場に洗濯をする場合は、できるだけお湯を使うようにしましょう。
お湯を使って洗濯すると、衣類に含まれる水分が温まり、蒸発しやすくなります。冬の冷たい水で洗った衣類は、部屋の中でもなかなか温まらず、乾きが遅くなる原因になりやすいです。
おすすめの温度は、30〜40℃程度のぬるま湯です。この温度で洗うと、暖房の熱が効率よく伝わりやすくなり、乾燥までの時間が短縮されます。
もしガス代が気になるようであれば、お風呂の残り湯などを活用してみてください。
【工夫2】脱水をしっかりする
洗濯物の脱水回数は、2回に設定しておきましょう。
干す前に衣類に含まれる少しでも水分を減らしておくことで、乾燥までの時間が短縮されます。
暖房の瀬って温度を上げて対応しようとしても、水分が多ければ乾燥に時間がかかることには変わりありません。
厚手の衣類やフード付きのパーカーなどは、タオルでポンポンと押し付け、軽く水分を取ってから干すのもおすすめです。
【工夫3】厚みのある服はエアコンの前に置く
冬はフリースやセーターなど、厚手の衣類を干す機会が増えます。こうした服は中まで乾きにくく、湿ったまま放置すると雑菌が増えやすくなります。
エアコンの暖房を利用する際には、乾きにくい厚手の衣類を温風が届きやすい場所に配置するのがおすすめです。全体に風が当たるように並べると、効率よく水分を飛ばすことができます。
ある程度表面が乾いてきたら、洗濯物を裏返しにして裏面に温風を当ててみると、より効率的に乾かすことができます。
【工夫4】結露対策をする
暖房をつけると室内は暖かくなりますが、窓際との温度差によって結露が発生しやすくなります。
この結露が室内の湿度を上げ、洗濯物の乾きに悪影響を与えます。さらに、カビの原因にもなるため、しっかりと対策を行っておきたいところ。
こまめに雑巾で結露を吹いたり、結露防止シートを貼るなどして対策を欠かさないようにしましょう。
【工夫5】こまめに洗濯する
単身世帯の方や二人暮らしの方、もしくは忙しい方は数日分の洗濯物を溜めることが多いかもしれません。
しかし、溜まった洗濯物をまとめて干すと風通しが悪くなるため、乾きが遅くなります。
そのため、できるだけ洗濯をする頻度を上げて、一度の洗濯物の量を減らすことが重要です。
洗濯物同士の間隔を広くとることで、エアコンの暖房や除湿器の効果が行き届きやすくなります。全体がムラなく乾くため、乾くまでにかかる時間が短くなります。

暖房ですばやく部屋干しする、おすすめの除湿アイテム
エアコンの暖房だけでもある程度の乾燥は可能ですが、湿度を下げたり、空気を循環させたりするアイテムを併用することで、さらに効果が高まります。
少しでも効率的に乾燥させることで、生乾き臭が防げるのはもちろんですが、湿気によるカビ予防や暖房による光熱費の高騰も抑えられます。
おすすめの除湿アイテムは、以下の3つです。
- サーキュレーター
- 除湿機
- 湿気取り剤
【アイテム1】サーキュレーター
サーキュレーターは、扇風機と似た見た目をしますが、役割は異なります。風を起こして清涼感を加えるのではなく、室内の空気を循環させることを目的としています。
そのため、部屋干しをする際に使用すると、洗濯物にまんべんなく風を送る役割があります。エアコンの温風を部屋全体に広げながら、洗濯物の表面だけでなく内側までしっかり乾かすのに効果的です。
おすすめの使い方は、洗濯物の下に置くこと。風邪が直接当たるように調整してください。
【アイテム2】除湿機
除湿機は空気中に溜まった湿気を吸収してくれる役割を持っています。
暖房で温まった空気中には、洗濯物に含まれている水分により湿度が多く含まれてしまう可能性があります。
除湿機は空気中の余分な湿気を吸収することで、洗濯物の乾燥を助けてくれます。
湿気対策にもなるため、カビの発生を防げて一石二鳥になることも。
洗濯物の下に置くなどして、より素早く湿気を取り除けるように工夫しましょう。
【アイテム3】湿気取り剤
クローゼットや押入れ用として知られる湿気取り剤も、部屋干しをする際におすすめです。
直接的に乾燥を早めてくれるわけではありませんが、部屋の湿度を取り込むことで、洗濯物が乾きやすい環境を作ることが可能です。
なかでも嬉しいポイントは片付けが不要な点と電気代がかからない点です。
サーキュレーターや除湿機は、使わないときはどこかに片付けておく必要があります。ある程度の大きさがあるため、ジャマになってしまうことも。
湿気取り剤は、棚の上などに置ける比較的コンパクトなサイズが一般的。部屋除湿用の大きいサイズでも、ソファクッションほどです。また、置いておくと継続的に除湿をしてくれるため、片付けの手間が省けます。
サーキュレーターや除湿器とは違い、電気代もかかりません。さらに購入費も家電を購入するよりもお手頃。
効率的かつお財布にやさしい除湿方法をお探しの方は、湿気取り剤を活用してください。
冬場の部屋干し・除湿には炭八がおすすめ
冬場に部屋干しをする方に特におすすめしたいアイテムが、湿気取り剤の炭八です。
炭八は一度購入すると半永久的に使用可能。定期的に天日干しをすることで内部に溜まった湿気を外気中に吐き出し、もとの湿気吸収力を復活させます。
そのため、かかる費用は購入時のみと言っても過言ではなく、家電や使い捨ての湿気取り剤よりも経済的です。
さらに、湿気だけではなく臭いを取り除く効果もあわせもっています。なかには、生乾き臭が発生しにくくなったという口コミも。
使い方は、開封して気になる場所に置いておくだけ。部屋干しをする空間に室内用サイズの炭八を置くようにしましょう。
しっかりと湿気対策をしたいという方は、クローゼット用やタンス用の購入もおすすめです。

まとめ
本記事では、冬場でも洗濯物をしっかりと乾かせるよう、暖房の活用方法について以下の項目をお伝えしました。
- エアコンの除湿機能と暖房機能の違い
- 冬場に生乾きが発生する原因
- 冬場の部屋干しに暖房がおすすめな理由
- 暖房を使って洗濯物をすばやく乾かす工夫
- 暖房と一緒に使いたい除湿アイテム
湿り気による雑菌繁殖や生乾き臭を防ぎ、衣類を快適かつ衛生的に保てるよう、ぜひ参考にしてみてください。
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